「手を尽くしているが生産性がなかなか上がらない・・・」
こう思っている経営者は案外多いのではないでしょうか?
社労士として中小企業の経営者や人事担当者と普段から接する機会は多いのですが、生産性を上げるための組織づくりというのは難解だなと感じています。
そんな中、生産性を上げるための組織づくりのヒントになるのではと思った本がありました!
それは倉貫義人さんが執筆された『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』という本です。
この本を読んで、私が参考になったと感じたポイントは以下の3つです。
- 管理すればするほど生産性は下がる
- 生産性向上には信頼関係を築くことが重要である
- 目指す組織のあり方は自律性と楽しく働くこと
そこで今回は、上記のポイント3つに触れていきたいと思います。
管理ゼロで成果をあげる方法について
それでは、参考になったと感じたポイントについて触れていきたいと思います。
ポイント1: 管理すればするほど生産性は下がる
「~する場合、~はしてはいけない」
「~に従わなければいけない」
会社の就業規則を見れば、このような記載が多く見られます。
就業規則は、従業員を『管理』するために、やってはいけないこと・やるべきこと・やってもいいことをまとめたルールブックですので、当然のことではあります。
この就業規則が活かされる時と言えば、従業員の誰かが問題を起こしたときや個々の事案によって会社の判断がバラバラにならないように取扱いを確認する時です。
また、就業規則の導入によって生産性が上がったという話は聞いたことがありません。
これは、「従業員の管理のためにルールをいっぱい設けても、生産性を上げることにつながらない」ということを表しているのだろうと思いました。
(就業規則は意味がないということではありません!)
この本を読んで、管理をやめていくことで生産性があがっていくという事例に触れ、「管理をして働かせよう」という意識を経営側から変えていくことが大事なのではないかと考えさせてくれます。
ポイント2:生産性向上には信頼関係を築くことが重要である
生産性の向上をはばむ原因とは何でしょうか?
いろいろな原因が考えられると思います。
この本を読んで、意外と大きな要因になっているのは、上司が部下を信用せず、こと細かく干渉してしまうことではないかと思いました。
上司はいろいろと干渉したいがために多くの時間が割かれ、部下はいろいろと干渉されるたびに仕事への意欲を失ってしまいます。
すると、部下がなかなか改善しないことに上司はいらだち、自分でやった方が早いと思って抱え込んでしまうと同時に、部下は成長の機会を失ってしまうことにつながります。
これでは、生産性が上がるわけがないですよね。
この本を通じて、上司と部下は信頼関係を築くことによってお互いに力が発揮できるようになるということを考えるきっかけになります。
ポイント3:目指す組織のあり方は自律性と楽しく働くこと
生産性を上げるためには、どんな組織を目指していくのか。
この本における組織づくりのキーワードは、「自律性」と「楽しく働くこと」にあると思います。
上司の言うことしか聞かないのであれば、自分では判断しなくなるため、行動できる範囲に限界が生じます。
わからないことがあれば、事あるごとに上司に伺いをたてることになります。
また、その仕事が楽しいと思えなければ、仕事に前向きに取り組むことはできないでしょう。
仕事につまらなさを感じれば、ゆくゆくは退職に発展することさえあります。
この本は、自律性をいかに構築していくか、そして、楽しく働くにはどうしたらいいかということを考えるうえで参考になります。
【まとめ】
今回、倉貫義人さんが執筆された『管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう』の本を読んで参考になったことを以下の3点にまとめて書かせていただきました。
- 管理すればするほど生産性は下がる
- 生産性向上には信頼関係を築くことが重要である
- 目指す組織のあり方は自律性と楽しく働くこと
ただ、この本でも書かれている通り、会社の生産性を高めることは簡単ではなく、段階を経ながら進んでいく必要があります。
この本には、参考となる取組みや考え方が色々と記載されていますので、一度読んでみて、無理なく取り組めるものから取り組んでみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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