【本の紹介】組織が究極のパフォーマンスを発揮するには

書評

「組織のパフォーマンスが伸びない・・・」

「みんなチャレンジをせず、保守的になっている・・・」

組織の運営で、そんな悩みを持っていませんか?

もしそうであれば、マシュー・サイド著の『失敗の科学』という本をお勧めします。

いろいろな業界の参考事例がたくさん掲載されていますが、中小企業の組織の問題に触れる機会が多い社労士の視点から、この本における重要ポイントは以下の3つだと感じました。

  1. 人はウソを信じ込んでしまう。
  2. 人は失敗の責任を追及したがる。
  3. 失敗をしないと成長が止まる。

そこで今回は、上記のポイント3つに触れていきたいと思います。

組織の成長における重要なポイントとは?

この本を通じて、重要だと感じたポイントについて触れていきたいと思います。

ポイント1:人はウソを信じ込んでしまう

人は、自分の言ったことが間違っていると指摘されたときに、どういう反応するのでしょうか。

素直に間違いを認める方も当然いますが、案外多くの人は、

「自分は間違っていない!(あいつが間違っている!)」

と思い、かたくなに自分の間違いを認めないことがよくありませんか?

それは、自分が恥ずかしい思いをしたくない、自分はできない人間であることを認めたくない心理からきているものと考えられます。

テレビを見ていても、間違いを認めずに、いかに自分が間違っていないかを主張する人を多く見かけますよね。

組織の中で、部下が自分の間違いを認めない上司を見たとき、「この人は信頼できないな・・・」と感じてしまうのではないでしょうか?

もちろん、その逆もありえます。

信頼できない人に囲まれている組織では、パフォーマンスが上がるわけがないですよね。

まずは、人は自分の間違いが許せないと正当化に走りがちであることを理解する必要があります。

そのうえで、「間違ってても素直に認めていいんだ」と思える組織を築くことが、組織のパフォーマンスを上げるための第一歩になります

ポイント2:人は失敗の責任を追及したがる

これもテレビでよく見かけるシーンですが、何か失敗が起きたときに、

「〇〇が悪い!責任を追及して、反省させろ!」

ということを叫ぶ人がとても多いように思います。

責任を追及して、反省をさせれば、その人は正しい方向に変わるものだと信じている人が多いのではないかと思います。

この本では、責任を追及した結果、どうなったかということも調査しています。

全てのケースでそうなるとは言えませんが、自分をさげすみ、立ち直れなくなり、自分を不幸に追い込む という悲しい結末が取り上げられています。

その話を読んで、失敗を責任追及することって、人間の怖い性質だなと考えさせられます。

失敗を恐怖に感じれば、結果として組織全体で新しいことにチャレンジしなくなります。

それを避けるためには、失敗をした人物にフォーカスするのでなく、失敗にフォーカスすることを徹底する ことで、新しいことにチャレンジする組織が作られていくものと思います。

ポイント3:失敗をしないと成長が止まる

スーパープレイを平然とやってのけるプロスポーツ選手がいます。

でも、最初からスーパープレイができるわけではないですよね。

人より何倍も練習をこなし、いっぱい失敗をして、そこから学んで上手くなっていきます。

たくさん失敗しているところが見えていないだけなんですね。

では、失敗をまったくしない組織は、どうなるのでしょうか?

失敗をしない組織は、改善点を見つけられず成長しないと考えられるのではないでしょうか。

もちろん、人命に関わったり、社会が混乱するような致命的な失敗は避けるべきですが、失敗をする過程は組織の成長にやはり必要でしょう。

経営者や部下を持つ上司は、社員・部下にいかに失敗させて成長させるかを意識して取り組むことが、組織の大きな成長につながるものと考えられます。

【まとめ】

あなたの会社でも失敗を責任追及したり、失敗を認めない風土になっていませんか?

冒頭でも挙げた以下の3点を意識して取り組むだけでも、社員が失敗を隠さなくなり、失敗から多くを学べる組織に変わっていくことが想像できます。

  1. 人はウソを信じ込んでしまう。
  2. 人は失敗の責任を追及したがる。
  3. 失敗をしないと進化は止まる。

他にも参考になる教訓や事例などがたくさん取り上げられていますので、ぜひマシュー・サイド著の『失敗の科学』を読んでみましょう!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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